フロアコーティングの種類ごとにメリット・デメリットを紹介。
「フロアコーティングが新築になぜ必要なのか?」という理由も分かりやすく解説しています。
最近流行りのフロアコーティング。
とはいえ、ひとくちにフロアコーティングといってもいくつか種類があり、その特徴は異なります。
それぞれのメリット・デメリットを知り、ライフスタイルや予算に合わせた最適な施工を選びましょう。
性能や価格に違いはあれ、すべてのフロアコーティングに共通するメリットはあります。
新築からたった2~3年、早く劣化が始まるのは床と言われています。
床は日々の生活のなかでどうしても汚れてしまいますが、ワックスだけのフローリングは水拭きが厳禁。
とはいえ、乾拭きだけでは汚れがしっかり取れず、輝きもすっかり失われてしまうのです。
その劣化を保護してくれるのがフロアコーティングです。
コーティングをした床は水拭きができるのでお手入れが楽ですし、油汚れは水を薄めた洗剤で落とせるので、いつでもキレイな床を保つことができます。
初期費用はかかりますが、長い年月綺麗な床を保てることや掃除の労力を考えると、とてもお得なのです。
住宅新築後、長い年月使用された床は、経年と比例して傷がついたり、ツヤがなくなるなど、劣化が目立ってきますよね。
フロアコーティングが劣化してきたな、と思ったときが、フロアコーティングをするひとつのタイミングです。
経年劣化が気になったフロアコーティングをした人で、たまたま近所の人が同じ理由でフロアコーティングをしていて、その様子を聞いて自宅もお願いした、というケースもありました。
新興住宅地で、同じ時期に建てた家だと劣化する時期も近いようで、よいきっかけになったそうです。
リビングのフローリングにフロアコーティングを施すのであれば、「UVフロアコーティング」がおすすめです。
UVフロアコーティングは耐久性が高く、摩擦にも強いので、長期にわたって効果を得られます。
また滑りにくいのも特徴で、高齢のご家族がいる家庭でも安心して生活できます。
ちなみにUVフロアコーティングとは、紫外線を防止する効果があるというものではなく、施工の段階で紫外線を使用するためにこのような名称なのだそうです。
家を建てて数十年経ち、家自体が劣化してきたのでリフォームをするというときに、一緒にフロアコーティングをするという人も多いです。
おそらく、新築時にフロアコーティングをしなかった結果、フローリングの状態が悪くなってしまったため、リフォーム時には入居する前にフロアコーティングをきちんと施工しておこうという考えにいたるのでしょう。
和室の多かった家を、リフォーム時にフローリングの部屋を増やすというケースも多いと思われますので、最初にフロアコーティングをしてしまえば、その後安心して生活できそうですね。
リフォーム時においても、リビングのフロアコーティングを行うのであればUVフロアコーティングがおすすめです。
子どもが生まれるのを機に、フロアコーティングをするというご家庭もあります。
小さいお子さんは飲み物や食べ物をこぼすことが多いですし、おもちゃなどでフローリングに傷をつけてしまうこともあるので、フローリングを保護するためにもフロアコーティングを施すのはおすすめです。
さらに、フロアコーティングには「掃除が楽になる」というメリットもあります。
フローリングのワックスがけが必要ありませんし、赤ちゃんが飲食物をこぼしてしまっても、さっと水拭きするだけできれいになるので、家事が楽になるという点からもおすすめです。
出産を機にフロアコーティングをする場合は、「ガラスコーティング」がおすすめです。
ガラスコーティングは非常に皮膜が高く、硬さはコーティング剤の中でも優れているといわれています。
赤ちゃんが大きくなって、おもちゃでフローリングを叩いてしまっても傷がついてしまう心配がありません。
また、無機質のガラス材を使用しており、安全性が高いため、赤ちゃんが誤って床を舐めてしまった時のリスクを抑えられます。
ペット購入時に、爪などでフローリングを傷つけてしまうことがないよう、フロアコーティングをしようというご家庭もあります。
猫であれば爪とぎをしますし、フローリングはすべりやすいので、犬が走るときについ爪を立ててしまうこともあるので、フロアコーティングをしておいたほうが安心です。
ペットを飼育する環境に合わせてフロアコーティングを行うのであれば、シリコンコーティングがおすすめです。
シリコンコーティングはハウスダストに強いという特徴があり、ペットの毛が舞ってしまうのを防いでくれるるほか、アンモニアに強く、床におしっこをしてしまってもフローリングへの影響が少ないです。
フロアコーティングを専門の業者にお願いすると、かなり金額が高価になります。
そこで、業者が使用しているプロのコーティング剤を使って自分でできないか、と考える人が少なくありません。
こちらでは、フロアコーティングを自分で行う際の注意点やポイント、メリットやデメリットについて解説していきます。
フロアコーティングを行う際は、事前に床をきれいに掃除し、ホコリや異物などを取り除いておく必要があります。フロアコーティングを行う準備として、掃除機や雑巾などの掃除用具を用意します。
すでにワックスなどのコーティングがされている場合は、そちらをきれいに剥がした上でフロアコーティングを行う必要があるため、ワックス除去剤が必要となります。
容量にもよりますが、価格は1,000〜5,000円程度です。
モップにもいろいろな種類がありますが、コーティング剤を均一に塗るためにもぜひ専用のモップを使用することをおすすめします。
価格は1万円前後のものが多いようです。
数種類ありますが、目的やフローリングの素材、仕上がりの好みなどによって選びましょう。
価格の目安は1Lで5,000円以下、4Lで1万円以下、18Lで2万円前後ですが、性質により異なってきますので、実際にホームセンター等で相談し、適したコーティング剤を選んでもらうと良いでしょう。
巾木などにコーティング剤がつかないように、保護(養生)をすることも必要な作業となります。養生のためのマスキングテープなども事前に用意しておきましょう。
フロアコーティングを塗る際に重要で難しいことと言えば、ムラや塗り残しがないようにコーティング剤を「均一に塗る」という点です。
塗った上から歩くことが出来ないので、モップの使い方もコツがいります。
すでにフローリングに傷がついてしまっている場合、フロアコーティングを終えたあとに傷が目立つと感じる人がいるようですので、傷を事前にチェックして、ある場合は補修をしてからコーティングに入るとよいと思います。
フロアコーティングは天候によって乾きにくいなどの問題が発生しますので、できるだけ湿度の低い日に行うのがおすすめです。
水性のフロアコーティングを使用する場合は、気温が20℃くらいで、湿度は55~60%前後が望ましいとされています。
ただし、乾かすためにと思って窓を開けてしまうと、外からゴミなどが入りやすくなってしまいます。窓はコーティング剤を塗り終わってから開けるようにするとよいでしょう。
フロアコーティングを自分で行うメリットは、なんといっても費用が少なく済むという点です。
ガラスコーティングの場合、業者に頼むと10~15万円ほどかかる施工が、自分で行えば材料費だけで済みます。
また、最近はDIYが趣味という人や、家のメンテナンスは自分で行いたいと考える人も増えています。そのような人にとっては、自分で行う達成感を感じられるという点も、メリットといえるでしょう。
デメリットは、やはり素人が行う作業なので仕上がりがきれいにならないことがあるという点です。
既存のワックスをきれいに剥がしてからコーティングしないといけませんし、傷の補修が必要など、こまごまとやらなければならない作業が多く、ひとつひとつを丁寧に行わないときれいに仕上がりません。
リビングのフローリングなどはかなり存在感があるので、苦労して仕上げたコーティングが汚いとがっくりしてしまう方もいるかもしれませんね。
フロアコーティングを業者にお願いするとよい理由は、やはり自分で行うのとは仕上がりが断然違うという点がもっとも大きいのではないでしょうか。
自分で行うのが初めて、という人と、年間何百、何千件ものフロアコーティングを行っている業者とでは、技術力がまったく違います。
業務用の硬いコーティング剤を均一に塗るのはかなり難しく、家庭用のワックスとは勝手が変わってきます。
フロアコーティングは、1回行えば数年~数10年もつものなので、専門の業者に依頼をして、きれいに仕上げてもらうほうが後の後悔は少ないかもしれません。
これは業者によって異なりますが、ホームセンターなどで市販されているコーティング剤よりも、各業者が取り扱っているコーティング剤のほうが質のよいものが多いといわれています。
より美しく仕上げるために、独自の技術を用いて作っているコーティング剤なので、よりきれいで効果が長持ちすることが期待できます。
コーティング剤の評判については、口コミなどをチェックして業者選びの参考にするとよいでしょう。
新築の場合は別として、すでに入居している場合は、家具を移動し、傷があれば補修をした上でコーティングに入る必要があります。
作業する人が1人しかいなかったら、大きな家具の移動もすべて自分で行わなければならず、これはなかなか大変な作業です。
業者に依頼すればこうした家具の移動もお願いできますし、家具を置いていた部分の傷の補修をしてもらえるなど、きれいに仕上げるためにさまざまな作業をしてくれます。
フロアコーティングを行う上で面倒なのが、既存のワックスの剥離作業です。
すでにワックスやフロアコーティングをしてあるフローリングの場合、すべてきれいに剥がしてからでないと、上からコーティングした際に仕上がりが汚くなってしまいます。
部屋が広ければ広いほど、作業に時間を要することとなり、自分で行った人はここで後悔してしまうことも多いようです。
業者に依頼すれば、既存のワックスやコーティング剤もきれいに剥がしてくれます。
フロアコーティングを行う際は、巾木などにコーティング剤がついてしまわないように養生をする必要があります。
この養生についても、慣れていないとやり残しやズレが出てきてしまいますが、業者はこうした養生についても丁寧に、正確に行ってくれます。
床にホコリやゴミなどがついていると、コーティングの下に入ってしまい、仕上がりが汚くなってしまいます。
業者にお願いすると、事前にしっかり掃除をして、きれいな状態からコーティングしてくれるので安心です。
これまでにご紹介したように、フロアコーティングを行うにはさまざまな作業が必要になります。
自分でやったら、プロが行うより何倍も時間がかかってしまいます。家具の移動から始めたら、1日で終わるかどうかも不安になります。
業者に依頼することで、豊富な経験から実にスムーズに作業してくれるので、短い時間できれいなフローリングに仕上げてもらえます。
さて、フロアコーティングを業者にお願いするにあたっては、メリットとともにデメリットも知っておくべきだといえます。
フィロアコーティングを業者にお願いするときのデメリットといえば、施工費用がかかることです。
実際にかかる費用は、物件の状況や施工する業者によって異なります。また、コーティングに使用する素材によっても金額が変わります。
いちおうの相場感としては、UVコーティング、ガラスコーティングの場合が1平方メートルあたり4000円~5000円程度、50平方メートルで20万~25万円前後は必要です。
また、シリコンコーティングは1平方メートルあたり3500円程度、50平方メートルで17万円くらいになります。ウレタンコーティングは、フロアコーティングのなかでは比較的リーズナブルですが、それでも1平方メートルあたり2000円~3000はみておきたいところです。
50平方メートルあたりにすれば10万円~15万円です。
もっと安くしてもらいたいなら、見積もり競合で交渉することです。
ケースにもよりますが、目安の金額からさらに値引いた特別料金になることもあります。
それでも、DIYで行うことを考えれば、かなり多額の費用を要することになります。
ただし、費用負担を小さくするためだけに単価の安いフローリング剤を選ぶのは考えものです。どのフローリング剤を使用するかは、フローリングの状態と期待する効果によって決めるのが本来の考え方だからです。
もちろん、費用を最重視した選択が絶対に駄目だということではありません。
ただ、結果的に期待していた効果が十分に得られなかったり、短期間で再度の施工が必要となって、結果的には高いものについてしまったりすることがあります。
5万円で10年もつのと、10万円で30年もつのとでは、どちらを高いと考えるかの違いともいえるでしょう。
DIYでフロアコーティングをする場合は、極端な話、気が向いたときにやりたい部分だけを施工すれば済みます。
しかし、業者にお願いする場合はきちんとした段取りが重要です。
まず、準備段階として複数の業者に見積もりを依頼して検討し、業者の選定を行います。
次に、工期を設定しなければなりません。業者の予定によっては希望する時期に施工できないこともあり得ます。場合によっては、工期を最優先にして業者を選定する必要もあるでしょう。
そして、自分と業者の予定を考慮したうえで施工日を決定したあとは、よほどのことがない限り変更はできないと考えるべきです。
業者にフロアコーティングをお願いすることは、施工そのものの手間が省けて美しく仕上がる反面、こうした面倒な調整をしなければならない点もデメリットとなってしまいます。
フロアコーティングを業者にお願いする場合の心理的なデメリットとして、家族が日常生活を送っている空間を他人に見られてしまうというものがあります。
もちろん、業者の側はあくまでも仕事として住居内に立ち入るだけであり、顧客のプライバシーをのぞき見るような意図はありません。
そうはいっても、他人に家を見られることに抵抗を感じる人は少なくないものです。
また、見られることだけでなく、長時間にわたって他人が家の中にいること自体に抵抗がある人もいるでしょう。しかも、その間は住人が外へ出ている必要があるため、抵抗感が増すともいえます。
このように、自分や家族の生活スタイルとも密接にかかわってくるのが業者にお願いするフロアコーティングです。
デメリットとメリットの詳細を十分に考慮したうえで、金額的にも一番納得のいく方法を見つけたいものですね。